アカバネ病

動物衛生研究所(つくば市)はチッソ(本社・東京都中央区)と共同で、牛の感染症で先天異常を起こすアカバネ病を従来法より短時間で簡単に診断する方法を開発し、キットとして販売を始めた。各県にある家畜衛生保健所などでの利用を見込んでいる。
アカバネ病は、アカバネウイルスが吸血昆虫ヌカカなどを媒介して広がる。妊娠中の牛が感染すると、胎児が死んだり奇形が生じる。最近では、98年から99年にかけて全国で発生し、1000頭以上の感染が確認された。
この病気は、感染しても親牛に際立った病状が表れないのが特徴で、感染しているかどうかの診断が重要視されている。従来の診断方法では、ウイルスをいったん細胞に感染させて増殖することが必要で、結果が分かるまでに約1週間かかることなどから、対応が後手に回りがちだったという。
同研究所などが開発した方法は、酵素免疫測定法(エライザ法)を利用したもので、牛の血清を使い、ウイルスにだけ結合する抗体を持っているかどうかを調べて判定する。検査開始から4時間ほどで結果がでるほか、1回で最大90検体を同時に調べることができ、感度も従来法より向上しているという。
キットは1セット5万円で販売。同研究所九州支所臨床ウイルス研究室の津田知幸室長は「簡略化で検査が広がると、アカバネ病流行に歯止めがかかる可能性が高い」と話している。
毎日新聞

この記事だけ見るとよくわかりませんが、動衛研のHPを見ると詳しく解説されていました。
このキットにおいて抗原としては何を使っているか不明ですが、どうやらシステムとしてはアカバネウイルスに対するモノクローナル抗体(mAb)を酵素標識したものを用いた競合ELISAのようです。
ちなみに記事中に「従来の診断方法…」とあるのはウイルス中和試験のようです。確かに中和からELISAとなれば検査はものすごく楽になるでしょう。
それにしてもELISAをカタカナで表記してあるとなんだか変な感じがします。