水族館の獣医さん

今日の午後は水族館の獣医師の特別講義でした。名古屋港水族館の獣医師です。
俺達獣医学科の学生はこうして魚病学というものをさらっと習い、国家試験にも数問出題されるとはいっても魚のことなどほとんど知りません。ましてや水族館の獣医の仕事なんて想像はある程度できるものの、実際どんなものかということを聞いたことがなかったので興味がありました。しかも名古屋港水族館といったら懐かしの高校1年の時の遠足の所ではないですか。聞くしかありません。
まぁ、講義の感想としては大変そうだな、と。なんせ、上述の通り大学ではほとんど習わず、しかも水族館というのは想像以上にたくさんの種類の生き物を扱っているのですね。魚類はもちろん、海生哺乳類やさらには脊椎動物以外の生き物もたくさんいるのですからね。
さらには水族館の獣医というものの歴史の浅さというのも大変そうです。未開のものというのは新たな期待以上に不安のほうが大きいのがほとんどだと思います。それに挑戦してきた精神力は素晴らしいです。圧倒的精神力です。水族館に限らず、獣医師となる人すべてがこのような「強さ」を持てたら良いのですが。
しかも命懸けの場合も多いようです。大動物の獣医とはまた違ったこわさです。
水族館の獣医というものがこの先増えていくのかどうかはわかりませんが、水族館にいる動物の教育が獣医学教育において行なわれるということは当分の間ないと思います。
俺は、水族館で働く獣医が増えることは大歓迎です。うまくいえませんがやはり動物の医の知識を活かし、社会に貢献していくことは獣医の大きな仕事の1つなのではないでしょうか。
少し話は変わりますが、この水族館の先生は獣医師としての自分の哲学というかしっかりした考えを持っていました。俺は教科書に載っている知識を面白おかしく話す講義も好きなのですが、それ以上に自分の思想・哲学をなんとなくながらも持っている人の話を聞くのが好きです。
俺にとってこの4日間の集中講義・魚病学の中で一番価値のある講義だったと思います。