野兎病

野ウサギを食べようと調理した千葉県横芝光町の無職男性(74)が法定感染症「野兎(やと)病」にかかっていたことが4日、分かった。男性は一時高熱などの症状を訴えたが現在は回復した。国立感染症研究所によると、野兎病は平成6年ごろまで東北、関東地方を中心に1372件の感染報告があったが、11年に千葉県で1件報告されて以降は確認されていなかった。

 千葉県疾病対策課によると、男性は1月30日、自宅で近所の知人からもらった野ウサギを調理し、2月7日ごろから発熱。同月29日に同県旭市の病院で診察を受け、リンパ節の腫れや血液検査の結果から野兎病と診断された。

 男性は友人2人とともに野ウサギを煮て食べたが、2人に異常はみられなかった。

 野兎病は、野兎病菌を持ったウサギの血液や内臓などに直接触れることで感染。40度近くの高熱や頭痛、リンパ節の腫れなどの症状を発症する。通常、人から人には感染しないという。
産経新聞