実験ノートの書き方

実験ノートの書き方において重要だと思うことを箇条書きにしておく。


1. ノートはこまめに書く
とにかくこまめに。何事も溜まれば溜まるほど面倒になる。一日分の実験量が多い場合は特にこまめに書いておくべし。


2. 実験題目、目的、材料と方法、結果、考察、次にやるべきことのすべてを書く
実験題目はノートを見やすくする。
実験の目的は重要である。特に初学者は、後々「あの実験は何のためにやったのか?」となることが多い。実際、指導する学生の何人かがそのような状況に陥った経験がある。指導する側は忘れやすい(これもよくないので、私は学生メモもつけている)ので、その辺りは実験をする側もノートにつけることによって
材料と方法は、とにかく細かいことも書いておく。後々、トラブルシューティングの際に、「あのときは試薬のロットが違った」とか、「いつもと少し違うことをしてしまっていた」ということも多々ある。また、指導者側の視点として、やはりトラブルに対応し易いという利点がある。
結果は細かく書く。
考察もしっかりと考えて書く。学生の場合は指導者に言われたことなども考察に書き込んでおくべき。
考察から、次にやるべきこととして考えられるすべての可能性を挙げておく。


3. 「さすがにこれは忘れないだろう」と思うことでも細かく記述しておく
人は忘れる。がんばって実験量を増やせば増やすほど忘れる。当たり前と思っていたことも忘れる。絶対に忘れないと思っていても忘れる。


4. サンプルの保存場所なども書いておく
3と関連する。自分も昔(今もたまに)そうだったが、サンプルの保管場所はすぐ忘れる。時間の節約のためにも、サンプルの保存場所や保管方法もしっかり書いておく。


5. プリントアウトして用いたもの(手順など)はノートに貼る
紙だけを別のファイルに挟んでおく手もあるが、ノートに貼ったほうが後々見やすい。紙だけだとバラバラになったりする恐れもある(経験がある)のであまり勧められない。


6. 頭の中で考えたこともなるべく記述として残しておく
簡単なプライマーの設計などは、頭の中で考えて大した記録にも残さないが、やはりこれらも残しておくと後々役に立つこともある。初学者は特に。


7. なるべく生(に近い)データを貼る
生データがベストだが、例えば最近のアガロース電気泳動の写真や、ウエスタンブロットなどではフィルムに現像をしたりするラボは少なくなっているだろう。もはや生データとは何か?ということになる。そんな時でも、例えば目的の位置のバンドだけを切り抜くのではなく、ゲル全体の写真をプリントアウトしたものを貼るべき。